August 04, 1997

見合い写真

絵 今日、ワタシは見合い写真というモノを撮りに行った。
 女性の初婚の年齢が高くなっているとはいえ、静岡の田舎町では、そろそろ「マスダさんちの娘さん、まだ家にいるわねえ」と噂されてしまう年なので、親の眉間の皺が段々深くなってきているのである。その深さを見てつい、友人に「いい条件の人がいたら見合いをすることもやぶさかではない」と言ってしまったところ、顔の広いその友人のお母さまがさっそくスゴ条件の人物を探し出して下さったのである。ありがたいありがたい。そんなことから、見合い写真というものを撮りに行ったのだ。
 ワタシとしては、見合い写真といえども最近の風潮から、まあちょっぴりかしこまったスナップ写真程度であろう、と思っていた。が、違うのですね。「見合い写真にしたいんですけど」と伝えるなり、受付のオバサンは目をキラリと光らせてワタシの顔に素早く目を走らせ、見本を出しつつ「大きさはどうしましょう」と尋ね来る。
 その見本を見た私の気持ちをなんと表現したら万人に伝わるのか悩むところであるが、一言で言うならば「ややや、まずいぞ」といったところであろう。見本写真の中では、一昔前の女の子向けの塗り絵、といった感じの「スカートの裾をつまんで首傾げ」ポーズの妙齢の女性が微笑んでいたのである。しかも片手は頬の辺りで不自然な指のカタチをしている。
 焦ったワタシは、「あの、うんと、上半身でいいんです。あの、見合いといってもその、普通で」と慌てて伝えたのであるが、オバサンは判ってんだか判ってないんだよくわからない表情で「上半身ですね。じゃ、L判でいいですね」と言い放ち、二階へ上がるように言ったのだ。二階へ上がって、鏡の前で最後の身だしなみを整えて撮影場所へ行ったとき、「どうやらワタシの気持ちは伝わらなかったらしい」ということだけははっきりした。そこには、椅子が二つ用意され、一つには非常にわざとらしいポトス君が鎮座していたのである。その時点でほぼ諦めたワタシは、その後10分間にわたって「いつもと違う今日のワタシ」になった。ポトス君の座す椅子にけだるげに片肘をつき、合わせた左手の人さし指はぴんとのばし、ちょっと小首を傾げてニッコリ歯を見せて微笑む女。誰だこれは!?
 なんで、見合い写真というとポーズをつけるのだ!うまく行けば生活を共にする人間に対して、ポーズなんかつけて撮った写真を見せてどうするんだ!?「スナップ写真でいいじゃない」とまでは言わないが、まっすぐ座ってニッコリでいいじゃないか、え、どうなんだ!?
 とにかく火曜日に出来上がるというこの写真、今から確実なのは「誰が笑わずとも、ワタシはその写真を見て笑うであろう」ということだけである。溜息。

By kumi at August 04, 1997
21世紀になってスズキになったマスダのヒトコト

 見合いね見合い。ははは。スゲーなつかしいよ。
 結局この時以来ちゃんとした写真って撮ってないのだが、イヤ、このときの写真さえすでにどこかになくしてしまって久しいのだが、どうせなら化粧とか髪型とかもっとバリバリの「ダレソレ?」で撮ってもらえばよかった…と思う日もある。

By: kumi at May 25, 2003
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